鋼タイプ学科・ギギギアル学科専攻研究所

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ギギギアルを考察するだけのぺーじ。ざんくらのざんくらによるざんくらのための壮大なメモ帳。 // @zahnradpoke。8世代最高最終2117/s1

【雑記】「HABCDS呼称」の由来・調査報告

はじめに

 「HABCDS」、この記事を読んでいる人であれば馴染みのある呼称ですね。しかし、この呼称、いったいどういう由来があるんでしょう?

 「各ステータス英語名称の頭文字?」、「Hitpoint、Speed、Attackは頭文字を当てて残りは並べてBCD?」。軽く調べてみたところ、このような説が見られました。が、どれもいまいち納得いかない

 というわけで、徹底的に調べてみました。(/・ω・)/

 

 

結論

 「pokedex250」というポケモン攻略サイト個体値チェッカーにおいて、各ステータス表記に割り当てられていたアルファベットが定着した。

 

 

...は?どゆこと?

 先にあげた結論を読んで、「あー、pokedex250ね、懐かしい、良く使ったわ」というトレーナーの方は、話はコレでおしまいです。お疲れ様でした。

 ちなみに筆者は1997年生まれ(現20才)ですが、このサイトのことはまったく知りませんでした。時代の流れを感じますね。

 

 さて、「は?なにそれ?」という方に向けて簡単に説明しましょう。「pokedex250」というのは一世代前のポケモン攻略サイト、です。今(2018/03)で言うところの「ポケモン徹底攻略」や「ダメージ計算Z」的立ち位置にある、非常にメジャーなポケモン情報の集積地、だったようです。

 そのwebサイトには「個体値エグザミナー」、いわゆる個体値チェッカー」機能が盛り込まれており、チェッカーにおいて各ステータスに割り振られていた略称が、かの「HABCDS」というアルファベットだったわけです。

 広く普及した理由はここにあり、当時「pokedex250」というサイトは非常に重宝されており、トレーナーにとっては必要不可欠なツールでした。細かく個体値をチェックするためには、このサイトを頼る方法がほぼ唯一、ゆえに広く用いられていたようです。そんな大衆的便利ツールに使われていた呼称が定着するのに、そう時間はかからなかったでしょう。

 

 ではなぜ、このHABCDのアルファベットが扱われているのか。と言うのは多くの方が説としてあげていた、「Hit points、Speed、Attackは頭文字を当て、残りは並べてBCD」というものが有力です

 筆者はこの説に対して「これからみなが使うであろう略称を考える際に、BCDを当てるのはいささか雑すぎないか?」という違和感を感じていました。しかし、この略称は「そう普及させるつもりなく、ツールのいち呼称として初めに定義付けられた」と言う流れなら違和感がありません。実用的なツールを作る際、「レイアウト」や「簡便さ」が優先されることを想像するのは難しくありませんから。また、ポケモンのステータスは基本的に上からむっつ順番に打ち込めばいいですから、開発側はそもそもこの略称を重要視はしていなかったのでしょう

 また、後述しますが、開発層・利用層がある程度アルファベットを用いた進数表記に慣れていた、という要素もあったかもしれません。

 

 ちなみにこの「pokedex250」サイト様はすでに閉鎖となっており、今現在、個体値エグザミナー等のレイアウトをチェックすることは叶いません。時代の流れ。もし、なにか情報や画像をお持ちの方は、@zahnradpokeまで連絡いただけるとうれしいです。

 

 話の本筋についてはこの程度です。あとはこの説を補強する話だったり、そのほかの説を否定してみたり、と言った雑記になりますのでお好みで。

 

 また、根拠におきましては、多くのwebサイト様、掲示板の書き込み、ツイッターでのツイート等を参照しており、すべてに許可を取るのは難しいため明示しません。申し訳ない。気になったら自分で検索を掛けてもらえるとありがたいです。ワードは「pokedex250」、「個体値エグザミナー」あたり。

 

ではでは。

 

 

そのほか雑記

 さて、ここからは以上の結論に至るまでの経緯、と言った内容になります。まずは他説の吟味から初めましょう。

 

 「各ステータス英語名称の頭文字」説の否定

雑に検索したとき、最もよく見られた説は以下のコレでした。

  Hit point
  Attack
  Block
  Contact 
  Defense
  Speed

 さて、なんだか一見するだけですでに無理がありそうですが、この説には致命的な欠陥があります。Defenseに注目。ここで、ポケモン英語ROMにおける各ステータス表記を見てみましょう

  Hit Points
  Attack
  Defense
  Special Attack
  Spacial Defense
  Speed

 はい。そうです。英語ではそもそも防御がDefense、となっています。とくぼうにスペシャルが追加されているだけ、なのでまあしょうがないっちゃあしょうがないんですが。割り当てるには無理がありますね。

 そんな強引で雑な略称が現在の浸透度ほどに流行るか...というと、疑問符が付きまといます。

 また、ポケモンShowDown!」という、英語圏有志によるサイトにおいては、各ステータスの略称はそれぞれ「HP・Atk・Def・SpA・SpD・Spe」となっています。英語圏では「HABCDS呼称」が浸透していないことの裏付けでもありますね。

 とどのつまり、現在言われている英語の頭文字は後付に過ぎないのでしょう。と私は結論付けました。

 

 

個体値「UやV」、アルファベットに拠る進数表記

 しかし、HASはともかく、BCDにはいまだに違和感がある...。そんな適当にアルファベットを並べたりするかな...?、とお思いの方、いらっしゃるんじゃないでしょうか。

 さて、ここで視点を変えて、コアなポケモン対戦が今ほど受け入れられる前、まだまだ初期の時期を考えてみましょう。各ステータスにこの呼称が与えられたとき、おそらくプレイヤーの大半はかなりコアなゲーマー層であったと想像できますね。

 ところで、ポケモン個体値は「6V」「A05V」という音で馴染みがあるように、「0~V」を用いた32進数で表記されます。皆さんはこの32進法に馴染みがありますか?おそらく、馴染みどころか、目にすることさえ滅多に無いかたが大半だと思います。この表記方法に馴染みのある層...。はて...。

 

 少し、つながりが見えてきませんか?

 

 ここからは僕の想像に過ぎませんが、初期のコアなポケモンプレイヤーは、ゲームの構造そのものに詳しい、またプログラミング等の知識豊かな人物が多かったのではないかと思いますポケモンという内部での隠れステータスを把握し、対戦に生かすだけの能力が必要なわけですから。存在していたとはいえ、今ほどインターネットでの解説サイトも数が少なかったでしょうし。

 それゆえに、「アルファベットを数字として」、進数表記などであらわすことに慣れていた。これが、「BCD」というアルファベットに順序的意味が当てられ、かつプレイヤーに浸透しやすかった環境の背景にあるのではないか、と思います。

 考え過ぎかもしれませんね...?

 

 あくまでも、想像に過ぎません。こればっかりは当時の方々にインタビューでもしない限りわかりません。

 さて、実のところはどうだったんでしょうか。

 

 

おわりに

 以上が考察になります。自分で調べた範囲でのことですし、インターネットにある情報をもとにした考察ですので、間違ったところがあるかもしれません。「いや、なんだかコレでは納得できないな」と思った方、もしお時間ありましたら、自分でも調べてみてください。

 いろいろな単語を手繰りながら、当時の環境を想像するのは、思いのほか楽しいものです。

 

 以上、ざんくらからの調査報告でした。今回の記事は書いていて楽しかったですね。またこんな記事を書いてみたい気もします。

 

 お疲れ様でした。(/・ω・)/