・はじめに
さて、みなさんは「威力期待値」という考え方をご存じでしょうか。
ここでひとつ、有名な特殊炎技を例にとってこの話題の切り口にしたいと思います。
「だいもんじ」「かえんほうしゃ」の二つの技。まず、だいもんじについて、威力110、命中85、つまり「85%の確率で威力110」かつ「15%の確率で威力0となる」わけであり、この威力期待値を計算すると110×0.85+0×0.15=93.5。同時にかえんほうしゃについて、威力90、命中100より、威力期待値は90×1.00=90。
このように、「確率を考慮した上での期待されうる火力計算」によって採用技を確定する考えが、ポケモンには存在します。
・さて、本題
では、ギギギアルがギアソーサーを放つ場合の威力期待値を計算してみましょう。ここでの条件要素は「持ち物」とします。
1.持ち物なしの威力期待値
ギアソーサーの威力は50×2。命中は85より、威力期待値は50×2×0.85=85。この期待値を基準とします。
威力期待値85
2.鋼鉄プレートの威力期待値
ギアソーサーの威力は50×2。プレートにより威力に1.2倍の補正がかかるため、実威力100×1.2=120。命中は85より、威力期待値は120×0.85=102。そこそこの期待値です。
威力期待値102
3.鋼Zの威力期待値
超絶螺旋連撃の威力はギアソーサーを基にしたとき、威力180。Z技なので必中。従って威力期待値は180×1.00=180。流石のZ技、通常ギアソーサーの二倍以上の威力期待値が見込めることがわかりますね。
威力期待値180
4.王者の印の威力期待値
では、計算していきましょう。ギアソーサーは連続技であるため、素ギアソーサーの期待値に加えて(1-0.9²)の確率で相手が怯みます。これをもう一度攻撃判定が行われると考えて、威力期待値を計算していきます。
おや、これは期待できそうですね...?(悪い顔
計算を進めましょう。怯まない場合の威力期待値
0×0.15+100×0.85=85・・・①
が、命中率×怯み率、すなわち0.85×(1-0.9²)の確率でもう一度繰り返されることになるため、最終的な威力期待値は
(0×0.15+100×0.85)+(0×0.15+100×0.85)×0.85×(1-0.9²)+(0×0.15+100×0.85)×{0.85×(1-0.9²)}²+.....
という式で表されますね。ここで、
0.85×(1-0.9²)=0.1615、および①より
=85+85×0.1615+85×0.1615²+....
となります。
なんかこれに別式並べて85かけて引いたりしてわちゃわちゃ計算すると
lim(n→∞) {85(1-0.1615^n)/(1-0.1615)}
というように表せたりしまして、最終的に
=85/0.8385
=101.3714967
と、なります。
威力期待値101
...あれ?プレートより低い
はい、馬鹿なので「威力期待値無限大!王者の印最強!ウォォォォ!」ってなるかと思ってここまで計算しました。オチが付きません。困りましたね。
・真面目に型考察
はい。という訳でギギギアルに印を持たせるのは論外!という結論が出てしまいました。わけですが、わけなんですけれども、折角なので一応型考察をしてみます...絶対弱いけど
ギギギアル@王者の印 / クリアボディ / いじっぱり H126 A252 S132
ギアソーサー / ギアチェンジ / 恩返し / ワイルドボルト
・調整
リザX意識A特化 / S最速スカーフガブリアス抜き /あまりH奇数
・意図
Zギギギアルが強い理由は「通常技では仮想敵が一撃で落とせない」、それを「Z化することで役割を遂行できるようになる」というところです。しかし当然特定Zではその他の役割を遂行することが難しい。
そこで、王者の印。
ギアチェンジ後、本来対象Zでしか役割を持てない相手(ガブリアス ランドロス / カプ・レヒレ テッカグヤ / ボルトロス リザ―ドン等)は、サブウェポンにより大抵確定二発。つまり、一度怯ませれば無償突破できます。全員に役割を持てる可能性があります。
はい。
まぁ、弱いですね。
・終わりに
アイアンヘッドください。ダブルパンツァーでもいいですよ。
クソ記事でした。以上です。
2019/0308 若干修正